第6章 - 7

「ポケモン…何でこんなに…」
赤帽子は訳も分からず立ちすくんでいる。

「ピッピカピ!ピカー!(な、何でもない!ただの通りすがりだ!)」
「…そうか、君達も…エムリット達を助けに来たんだね?!」
「ピカ…ピカピカピー!(まあそうだが…どうか俺達は見なかった事にしてくれ!)」
「お願いだ!力を貸してくれ!ドダイトスはもう限界だし、あのウサギさんも怪我してるんだ!」
「ピカピカッ…ピカピー…(誰が人間なんかに…!まあ、ちょっとだけなら…)」

「何をゴチャゴチャやって……!……ポケモンが……増えている?!」
もう一人の人間にも見つかってしまった。

「ありがとう!一緒に戦ってくれるんだね!さあ、サターン!勝負はここからだ!」
「ピカー!ピカピカー!(こらー!勝手に決めるな!)」
「ふん…ならば、こっちも手勢を増やすまでだ。いけ!ユンゲラー!ドーミラー!」
ドグロックに続いて、ヒゲのキツネと鏡の化け物が現れた。


こうなったら、もう開き直るしかない。
「いくぞお前ら!」
「はい!」
「おう!暴れるぜ!」
「いく~!」
「いざ!助太刀でござる!」
俺達は、敵対する3匹の前へ躍り出た。

「ケッ、ウサギとカメの次は変なネズミ達かよぉ。童話じゃあねぇんだよぉ」
「フッ…何匹来たところで同じ事だ…いいか…?」
ヒゲギツネ…ユンゲラーは、ドクロッグと鏡…ドーミラーに何かを囁いた。

「いくぜえ!マグニチュード9!」「リーフストーム!」
ゴローンとロゼリアが飛び出した。だが、
「ジャイロボール…!ドォーン…!」「ケッケッケッ!ヘドロ爆弾!」
それよりも早く、ドーミラーとドクロッグが攻撃する。
「うわあ~!」
「は…早いです…!」
「ならば拙者が…!」
「サイミンジュツ…!ドォーン…!」
「ふにゅっ!…むにゃむにゃ…zzz」
ザングースはその場で眠りについてしまった。もう、ずっと寝てろ…

「ピカチュウ~!みんなやられた~!」
「うぬう…」
まるで、こちらの手の内が読まれているようだ。

「フッ…お前らも掛かってきたらどうだ?」
ユンゲラーは不敵に笑った。
あのヒゲギツネ…なかなかの曲者のようだ。


俺は影分身を繰り返して奴のスキをうかがう。
エレキブル戦で得た戦術だ。
…しかし…

「ミラクルアイ!」
「…ふふ、そこだな?」
ユンゲラーに一瞬で本物を見抜かれてしまった!

「サイコキネシス!」
「おまじない~」
俺は大きなダメージを受けた。
しかしムウマのおまじないのおかげでなんとか急所を免れる。

こうなればユンゲラーはゴローンとムウマージに耐えてもらって後回し。
まずは雑魚共からだ。
「くさぶえ~」
「ん…Z…ZZZ」
くさぶえの音色で寝ているドーミラーにとどめだ!
「10万ボルト!」
「くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」」
とりあえずドーミラーは瀕死させた。あとはドグロックだ!


「ケッケッケッ・・・ドダイトス戦でも分かる通り、俺は強いぜぇ」
「10万ボル…」
「どくづき~!」
「うっ…」

ドグロックの動きは速い。くそっ!どうすれば…
「マグニチュード8!」
「ケッケッケッ…ん?ギャーーーーー!」
ユンゲラーと戦ってるふりをしてゴローンが使用したマグニチュードでドグロックを瀕死させる。
おっと、俺も地面には弱いんだった。あわててジャンプで回避する。
「く、くそ…コイツら野生のポケモンにしては並外れに強い!」
サターンの手持ちはユンゲラー1体。後は皆でまとめてかかれば楽勝だろう。
…いや、俺の影分身を簡単に見破った相手だ。油断は禁物…


「ほう、2体を簡単に倒すとはやるな…お前本当に野生のポケモンか?」
「ああ。まぁ俺は人間に育てられた事が一時あったがな。捨てられたんだ」
「ふ、ならば知ってるだろう。人間は使えなくなったポケモンを簡単に捨てる!そうやって、私の親友もギンガ団に捨てられたのだ!今回の戦いで勝てなかったら、私も処分されることに決まってるんだ。だから勝つ!」

「サイコキネシス!」
さっきよりも強い。これもユンゲラーの怒りがこもっているのだろうか。
俺はとっさに避けながら、必殺技・ボルテッかーの充電を開始する。
「ふっ、そんな攻撃簡単に…」
「くろいまなざし~」
「うっ、なぜだ!体が…動かない!?」
動けないゲンガーに向かって俺はボルテッカーをお見舞いした。

「く、くそ、私がここまで追い詰められるとは…」
俺もボルテッカーの反動はあったものの、なんとか体力は残ってる。
あと一発で…勝てる…うっ!!!


俺は突然苦しくなった。
ちくしょう!ドグロックのどくづきの毒が今頃になって回りあがった!
意識が薄れていく・・・くそ、後一発なのに!!!
俺は気を失った。
「ピカチュウさ~ん!」
「ちくしょう!立ち上がれっ!」
「まだーユンゲラー倒してない~」
「ふ、愚かな……これで私も捨てられずに…」
「ブレイククロ~!」
「!?!? な、なんだと!?」

それは、ドーミラーに眠らされていたはずのザングースの攻撃だった。
ユンゲラーは壁に思いっきり叩きつけられ、そして倒れた。
「寝てたふりをしてたでござるよっ!」


よくやった、ザングース…
「ピカチュウ!ピカチュウ~!ピカ………」
ミミロップが必死で俺を呼ぶのが聞こえる...
待て、まだ俺はやるべきことが...
俺は意識がそこで途切れた。


「…くっ!折角生き残る機会を与えてやったのに…使えない奴らめ…」
敗れたユンゲラー達を引き上げ、サターンは少年を睨んだ。
「なぜ、お前はそんなに強い?!」
「……僕の力じゃない。この…ポケモン達が、力を合わせてくれた結果だ」
「まあいい…この3匹はお前が好きにしろ…このマシーンのボタンを押せば自由にしてやれる」
「どけ!…今、助けてやるからな!」
少年は、サターンが示したボタンを押した。
ウィィィィン…
カプセルが開き、3匹の戒めが解かれた。

「どうもありがとう…」「アタイが見込んだだけはあるわね。えへ!」「またお腹空いちゃったよ~」
そして、3匹は空へ姿を消した。

「…ボスは、この3匹の体から生み出した結晶で赤い鎖を作った。それこそが、テンガン山で、何かを繋ぎとめるために必要なものらしい」
「テンガン山だって…?」
「もっとも、ボスがテンガン山で何をするもつもりなのか…私も知らないがな」
「待て!それはどういう…」
少年は、去って行くサターンを追おうとした。
しかし、
「ミュウ!ミュミュウ!(ピカチュウ!しっかりして!)」
さっきのウサギが、黄色いネズミに取りすがっているのが見えた。
「あ、待ってて!今、毒消しを…」


ピカチュウは毒消しにより解毒された。
「ピ…ピカ…(あ、ありがとよ)」
「あはは、照れてる。かわいいなぁ」
「じゃあぼくはテンガン山に行くから。どうも悪い予感がするんでね…」

「…人間って悪い奴だけじゃないんだな…」
「ピカチュウ~!心配したのよっ!」
ミミロップはピカチュウに抱きついた。

「ば、ば、ばか!なにやってんだっっっ、はなせよっっ」
「ピカチュウさん、顔赤いです~」
「べ、別に俺は…」
(ユンゲラーを倒したのは拙者なのに…悲しいでござる)
「だいじょ~ぶ~ムウマージおうえんする~がんばって~」
「ムウマージ殿…そうでござるね!拙者も早くミミロップ殿に抱きつかれるように頑張るでござる!」
「…ミミロップ、お前ら…覚悟はできてるか?」
「ええ、もちろん!」
「うん」
「頑張るです~」
「いざ!テンガン山へ!」

ピカチュウ達はテンガン山へ向かった。

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