第6章 - 3

ミミロップと俺は合流した。
「おい、ミミロップ!」
「ピカチュウ!!やっぱり来てくれたのね…」
「ごめん…俺が悪かった…手下を大事にしないで…こんな俺を許してくれるのか?」
「もちろんよ…」
熱い口付けを交わす二人…

…馬鹿…こんな時に俺は何を想像してるんだ。
知らない間に俺はミミロップのことが…
いや、変な想像するより今はとにかくミミロップを探し出すことが先決だ。
先を急ごう。

そんなこんなでようやく俺は研究所の裏側まで来た。

この場所は丁度発電機がある部屋らしくブィィーと低い音が鳴っている。
俺は外側からどこか外へ通じている配線を探しだし、そのうちの1本を噛み切ってやった。

次の瞬間、溢れんばかりの電力が俺に流れ込んでくる。
「う、うおぉぉぉ…さすがデカい建物なだけあるな。力がみなぎってくる。これならアイツに勝てる」


その頃…
いくつも階段を昇り、変な輪っかを潜り、ミミロップ達は3匹が捕らえられている部屋に近付きつつあった。

「…ここは見覚えがあるわ。確か、この先の部屋よ」
「ふーん、じゃ、その閉じ込めてるカプセルを壊しゃ万々歳だね。ムクホーク、ここはアンタのクチバシで…」
「…むう…この甘味の中にある、ほのかな渋みがまた…むぐむぐ…」
「いつまで食ってんだい!鳥刺しにするよ!」

がしょん!

「きゃー!何よ~!」
原因は分からないが…急に廊下は真っ暗となった。
おまけに、ゴゥンッと音がして、前後のシャッターが下りてしまった。

「狭いよ暗いよ怖いよ俺鳥目だよーーーーーーーー!」
「こんな時ばっか騒がしいねアンタは!!!」
「どうしよう…閉じ込められちゃったみたい…ここまで来たのに…」


ギンガ団の下っぱがあわてている。
「た、大変だ~!今の停電で電気床とか落し穴とか対人トラップが全部壊れまったぞ!?」
もう一人の女が呆れたように答える。
「別に問題ないでしょ。今まで誰も攻めてきたことなんて無いんだから。経費の無駄遣いだと思っていたし。あれ、うちらも危ないし。」
「でもほら、今ガキが入り口で暴れてるだろ?意外と強いんだなこれが。」
「大丈夫だってば。こっちの方が人数が多いんだし、エレキブルもいるしね。早く停電の原因を突き止めて復旧しましょ。」
「お、おう…。」


「いけ!ドダイトス!地震だ!」
赤帽子の少年は、セオリー通りに弱点を指示する。
だが、少年のドダイトスは進化したばかりなのか、威力はそれほど強くなく、エレキブルへのダメージは薄い。
それにもう1匹、宇宙人の出す黒白のポケモンもいる。

「あ~、ありゃスカンプーだな。あいつもオイラの技が効くぜ」
「でも、ガスや音で体力削られますし、油断すると誘爆されますね…」
「くさい~」
「じゃあよぉ、一発で倒せば大丈夫って訳だな?」
ゴローンは、力を溜めるようにぐるぐる腕を回した。
「そうですね…お願いします」
「くさいのきらい~!」

「ダメかっ!今度はあっちだ!いけ!」
「ドダー!」
「(あらよっと~!)」
ドダイトスが技を繰り出すのに合わせて、ゴローンは拳を地面に叩き付けた。

ゴゴゴゴゴゴゴ…!
「…ぷうぅっ!」
「くそっ!やられた!」
手持ちが倒されたのを見て、宇宙人は慌てて建物の中へ駆け込んだ。
エレキブルも、その余波を受けて倒れている。

「?…よくやった!先へ急ぐぞ!」
「???…ドダー」
何も知らぬまま、少年とドダイトスはエレキブルの横をすり抜け、奥へ進んでいった。


一方、研究所裏では…
電気の塊のような物 -ピカチュウがとんでもない光をまとって走っていた。

「よし!充電完了!待ってろエレキブルの奴!!」

研究所内
「[発電機の放電停止。即座の復旧不可能。非常電源モードへ移行します]」
下っぱ男団員と女団員は安堵した様子で
「あっ直りましたね」
「そうね良かった…。(あーあ、電気屋呼ばなきゃ。今月の予算で足りるかしら)」

ミミロップたちは
「あっ、電気ついたわ。良かった...」
「閉じ込められたわけじゃなかったのね。ただの停電かしら。」

「助かった~。さぁ先を急ごう」
「あんた何勝手に仕切ってんのよ。焼き鳥にするわよ。」
「ヒッ!それだけは勘弁..」
「(敵に回さなくて良かった)」


少年と宇宙人のバトルが終わって数分。
俺はようやく入口付近まで戻ってきた。
そこで草むらに傷だらけで横に隠れていたイタチが目に入った。

「おい、起きろ。起きないとフルパワーの10万ボルト食らわすぞ」
「Zzz..ムニャムニャ、ミミロップたんもう一回握手して。」

こいつは…
「5、4、3、2...」
「はっ、ピカチュウ殿!い、いつかららここに!!!」
「たった今だ。フフフフフ...(バリバリバリ)」
「ひぃぃぃお助けを」

「なんてな。で、俺に言うべき事があるだろう」
「はぁ、すまなかったでござる。しかしあの状況ではピカチュウ殿も...」
「もういい!俺はあの時次の行動を考えていたんだからな!勝手に行動されると困るんだよ!」
「はっ!そうでござるか…。なのに拙者は…愚者以外の何でもないでござるな」
「まぁいい。で、お前はどうするんだ。俺についてきてくれるのか?」
仲間は多いほうがいいからな。
「こんな拙者でもいいでござるか。かたじけないでござる。」
「おう。俺たちは仲間だからな。ついてこい早く!」
「了解でござる」

まぁ、あの時実は何も考えてなかったけどな。たまには嘘もいいだろ。
許せ、ザングースと心の中で謝った。


「あっピカチュウさん!」
「待ちくたびれた~」
「ようやくボスのお出ましか。」
遂にザングースと共に俺は戻ってきた。
「皆待たせたな。」
「みんな、勝手に抜け出してすまなかったでござる。」
ザングースは深々と頭を低くし、手下に謝った。
「いいですよ私たち仲間じゃないですか」
「みんななかよく~」
「何だあんたら喧嘩したのか。」
ザングースはいつもの冷静な態度からは考えられないほど、顔が歪んでいるように見える。
「かたじけない。すまないでござる。拙者、感無量でござる」
「おいおい…泣いているのか。結構涙もろいんだな。」
「拙者はピカチュウ殿に出会うまで一人だった。こんなに仲間というものが良いものだとは知らなかったでござる。」
「そうだな。俺もこの前までそう思っ…やっぱいいや」
ちっ口が滑った。

するとロゼリア達は何やらヒソヒソ話している。
「あのピカチュウさんが...珍しい」
「すなおになってる~」
「ほう、そうなのか」

俺は冷静に
「おいおまえらさっきといい何話してんだ?」
「いや何でもないですよ。」「ひみつ~」「おう」
「何なんだ…」
最近手下に馬鹿にされている気がしてならない


その頃の少年…
「参ったな、鍵が無いとこの先のドアに入れないみたいだ。中から鍵が掛かってる…。」
「(やれやれ…。)」

その頃のミミロップ…
「あ、あれ?戻ってきちゃった?」
「何やってんのよ。」
「う、うるさいわね~。一回暗くなったから方向感覚が狂ったのよ!たぶんこのドアの先!」
ミミロップはドアを開ける!
調度、少年が困っているドアだったようだ。
「ミッ!?(人間!?)」
「ニャアッ!(早く隠れなさいっ!)」
「おっ!?ドアが開いたぞ!先を急ぐぞ!ドダイトス!」
「(へいへい。)」

「行ったみたいね…。何だったのかしら。」


と感動の再会はここまでにして、まだあいつとアグノム達の事があるからな。
騒がしい手下を静止し―ザングースはようやく収まったようだが
「さてとゴローン、前のイシツブテか。急に呼び出してわざわざすまなかったな。」
「いいってことよ。丁度あの屋敷で暇を持て余してたところだったぜ。」
「そうか。ロゼリア、ミミロップはどうだ。戻ってきたか。」
「それが…まだ見てないんですよ。代わりに少年が中に入っていきましたけど」
何?ま、まさか本当にあいつは???
「ほ、ほほほ本当に何も見てないんだな?見てないんだよななな?」
俺は冷静に聞き返した。
「はぁ、見てないです。そこは言い直すところじゃないですよ」
それで何で呆れた顔でどうでもいいことを指摘されなきゃならんのだ。
まぁいい。それもあとでわかるだろう。

「そういや、あの無敵野郎はどうした?」

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