第6章 - 2

入り口にいた人間達がミミロップ達に気付いた次の瞬間、チャージビームが入り口のドアを貫き、更に攻撃は奥の大きな扉にまで至った。
突然の攻撃にパニックに陥った。
紛れ込んだポケモンよりも、攻撃の主に人間達は気が向いていた。

「こっちよ。」

ミミロップは壊れた扉の先に階段を見つけた。
ミミロップ達が駆け上ると、そこにあるのは寝室と台所。テレビまでついている。
人間達の休憩する場所の様だった。

「ここいらまではあのエレキブルはやって来ないだろ。」
「どうしてそんな事が言えるの?ニャルマー。」
「あのエレキブルって奴はポケモンだろ?人間がポケモンの言葉を理解できるとは思えないし、アイツは入り口を守るって役目があるんだろ?
いくらアタシ達が中に侵入したからってアイツの仕事は入り口を守ることだ。それを放り出したら人間様が怒るだろうさね。
それに、だ。いくらアタシ達が中に入ったとバレても入り口を開けっ放しにして探しに来る様な馬鹿じゃないよ。」
「…少なくとも、あのエレキブルは来ないのね。」
「そういう事。でも、もうとんずら出来ない上にひょっとしたらエレキブルより強い奴がいるかもしれない。こっからは慎重に頼むよミミロップ様。」
「そうね……ふふっ、様付けで呼ばれると何かくすぐったいし、ミミロップでいいよ。」

ふと、ムクホークが会話に入って無い事に気が付いた。

「おおっしゃ!さよならホームランでエレブーズが優勝!!」
「すげー!テレビっておもしれー!!」
「お、お前誰かの手持ちか?お前もエレブーズ好きなんだな。ほら、ポフィンやるよガハハ。」

ギンガ団の下っ端にポロックをもらっているムクホークの姿があった。
侵入者とは完璧にバレていないらしい。
ミミロップとニャルマーはムクホークを小突いて、先に進む事にした。


一発小ネタ「パチリスの野望」

ここは谷間の発電所。発電所近くの草むらでなにやら三匹のパチリスが集まっている。
「聞いたぞ、聞いたぞー。最近、電気鼠が手下を集め何やら企んでるんだぞー。」
「もうかなりの勢力らしいでち。」

リーダー格らしいパチリスが口を開く。
「ふうむ…。あの電気鼠に調子こかれるのはムカつきましゅね。決めたでしゅ!僕ちん達も手下を集めて電気鼠に対抗するんでしゅ!」
「おお!」
二匹の子分らしいパチリスは声をあげる。

「そうと決めたらお前たちこの辺のポケモン共を集めて来なしゃい!」
「わかったぞー!」「わかったでち!」

小一時間後…
「その辺から来ますた。その辺から来ますた。その辺から来ますた。」
集まったのはビッパだけだった。
ヒソヒソ「ビ、ビッパだけじゃないでしゅか…」
「単純だし天然だから話に乗せやすかったんだぞー…」「他の人は話を聞いてくれなかんたんでち…」
「どこにピカチュウがいるんだお?僕達、ピカチュウがいるって聞いたから見に来たんだお。」
「ピカチュウなんていないでしゅ!僕ちんが呼んだんでしゅ!」
「ちょ、何だお。パチモンかお。」
「パチモンじゃないでしゅ!パチリスでしゅ!」
「僕達、電気を使う奴がいるって最初の5秒だけ把握したからついてきたんだお。どうせなら本物と祭りやりたいから帰るお。」
ビッパ達は帰っていた!
「ちょ、待つでしゅ!…あ~、もう!こうなったのはお前たちのせいでしゅよ!」
「ひ、ひどいんだぞー。」「僕達だって頑張ったでち~!」

続かない。


???

「…人間共の例の研究はどうなっている。」
「順調です。あの三匹にバラバラにされ奪われていた???ウス様の力の一部も無事一つになるかと…。」
「そうか…あの人間に情報を流して正解だったな。神を操れるなどというくだらん嘘を本気で信じるとは…自分達が危機に陥るとも知らず…くくく。あの男、頭はいいが愚かだな。」
「傀儡が三匹を助けに来ましたが、番人を強化し追い払いました。」
「ご苦労。」
「傀儡の手下がうまく潜り込んだようですが…。それと…人間の子供が一人あの研究所に向かっております。」
「気にすることもないだろう。傀儡の手下が追い詰められたら、また助けて送り返せ。まだ必要だ。人間の方は放っておけ。勝手にあの研究所の人間に始末されるだろう。」
「はっ。」


一方…

「そんな…ミミロップさんを見殺しにするつもりですか?!」
「ピカチュウひどい~!」
「そうじゃない。落ち着け」
「しかし、このまま手をこまねいている訳にはいかんでござる!」
「いいから落ち着け!」
俺は、残った手下共を制した。だが、

「拙者も行かせてもらうでござる。ピカチュウ殿がこの程度の方とは思わなかった…さらば。」
ザングースも去っていってしまった。
「好きにすればいいだろう!?くそっ、どいつもこいつも…。」
「ピカチュウさん…」
「ぼわ~ん…」

しばらくの沈黙の後、ピカチュウ達はとぼとぼと歩きだす。
「……。」
「あれ…ピカチュウさん…?そっちはあの研究所の方角ですよ?」
ムッとしピカチュウは答える。
「…たまたまだ。」
ヒソヒソ「何だかんだ言って気になるんですね~…」「すなおじゃないね~…」
「たまたまだと言っているだろうっ!?」

ピカチュウはさらにムスッとする。
そんなピカチュウ達の横をすごい勢いで自転車が通り過ぎていく!
「わわっ!危ないですね~。」
それはシンジ湖で見た赤い帽子を被った子供だった。
「…追うぞ!」
「な、何でですか!?」
「何となくだ!!」
追わなければならない気がした!


少年を追いながら俺は考えていた。
そういや、この旅を始めるきっかけをくれたのは誰だったかな...

ミミロップだろう。
そして四天王だと言うからさせるがままにしてやったが…
あいつは俺がなんと言おうとずっと着いてきたな。
そんなに反抗するならチームを抜ければいいじゃないかよと思ったこともあったが...
ふと頭の中によぎる。
「(ミミロップは無事だろうか…)」

俺としたことが..
手下だからどうだっていいとも思ってたが
―大事な手下だからこそリーダーは部下に常に慕われるものである―
そんな言葉をどこかで聞いた気がした。


それを思い出した時…俺は、ふと立ち止まった。
「どうしたんですか?」
「おわないの~?」
「お前達…ちょっと頼まれてくれ」
「何ですか?」
「ムウマージは応援を…そうだ、なるべく電気に強い奴を呼んできてくれ」
「そう言えば…確か、イシツブテさんは地面技を!」
「わかった~!よんでくる~!」
ムウマージは急いで山の方へ飛んでいった。
「ロゼリアは先に行って、ザングースと…あいつに、余計な事をするな、と言って来い!」
「ピカチュウさんは?」
「あれだけ大きな研究所だ。どこかに必ず発電機があるはずだ。俺は、そこで電気パワーをチャージする。あの野郎が、反撃できない程のパワーを!」

そうだ…元はと言えば、俺の詰めの甘さが原因だ。
俺の決着は、俺が付ける!


???

「人間が研究に成功。バラバラになった力の一部を一つに。」
「そうか。」
「今は赤い鎖の形を。???ウス様の近くまで近づけばプレートに…。」
「予定通りだ。ハードマウンテンに行かせたパ??アはどうしてる。」
「ヒードランは抹殺。力の一部の奪還に成功。」
「くくく…そうか…これで全て力は戻るな。もう少しだ、もう少しで…くく…はははははは!」
「傀儡が研究所に。」
「もう好きにさせてやるがいい。あの研究所に用は無くなった。」
「御意。」


小ネタ「ミロカロスの正体」

???

「ふんふんふ~ん。ああ…美しいですわ…。」
「戻って早々、何をやっているパ??ア。」
「うっ!どこから見ていたディ??ガ…。」
「お前があの時のようにミロカロスに化け鏡の前で化粧を…。」
「最初からか。」
「そうだ。」
「……………。」
「……………。」


進化していたイシツブテ…ゴローンと合流し、研究所の前にたどり着くと赤帽子は進化したあの時のナエトル…ドダイトスで、あのエレキブルと宇宙人みたいな人間が出したポケモンと戦っていた。
だがやはり二人はキツいのか苦戦している。

「何故こんな事を…?」
「もしかしてエムリットたちをたすけるつもりとか~?」
「オイラ、ポケモンのために戦う人間なんてはじめて見たぞ~!?」
手下達は不思議そうだ。俺も信じられないが。
「やはりあの赤帽子についてきて正解だった。赤帽子が奴を止めている間に発電機を探す!」


その時、先に行っていたロゼリアが俺達の方へ走って来た。
「た、大変です!ミミロップさんの姿が…どこにもありません!」
「何だって?!」
「まさか、もうあの電気ブル野郎にやられちまったか~?!」
「おそかった~!」

「ま、ままま待て!おお、おお落ち、落ちけつ!」
俺は、努めて冷静に言い放った。
「…何動揺してるんですか」
「うっうるさい!あ、あいつが、そう簡単にやられる訳ないだろう!そうだ…あの人間が来たんで隠れたんだ!そうだ!そうに違いない!」
「何言い訳してるんですか……」
呆れたようにロゼリアが言う。最近、どうも扱いづらい。

「……ところで、もう1匹は?」
「…あそこに」
建物の影には、目の周りにアザを作って倒れているイタチが…

「…もういい。お前達は、こっそりあの赤帽子を援護してやれ。俺は急ぐ!あ、あいつが出て来たら…」
「僕が引き止めておきますよ…」
「よし!じゃあな!」
俺は急いで裏口へと回った。

「なあ~、ピカチュウの旦那って…」
「本当に…」
「すなおじゃな~い!」

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