第4章 - 3

「無理をするなスボミー!交代しろ!」
「ピ…ピカチュウさ…」

そのまま後ずさろうとするスボミーの前に、素早くザングースが立ちはだかる。
「どうした、もう終いでござるか!そのような体たらくでは、其方らの野望とやらもたかが知れておるわ!」
ザングースが挑発するように叱咤した。

{そうだ…今僕が負けたら、ピカチュウさんが馬鹿にされる…そんなのダメだ!}
{に…逃げちゃダメだ…逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ…!}

「逃げちゃダメだあー!」

キラリン!

「むっ?其方…?!」

朝日が昇り、光を受けて、銀世界がまばゆく輝く。

いや……違う!
光は、スボミーの体から発している!


「僕の体が…あ、暖かい…これは…」

「見て!スボミーもとうとう…」
「しんか~」

おめでとう! スボミーは ロゼリアに しんかした!

「勝負の最中に進化とは猪口才な…喰らえ!連続……」
「ギガドレイン!」
ぎゅるるるるるるん!
「ぐはあ!うが…はっぐぅ…!」
ザングースは大幅に体力を吸い取られ、ガクッと膝をつく。

「よし!トドメだスボミー…いや、ロゼリア!」
「はい!」

体力を充填したロゼリアが、その場でくるくると回り始める。
両手から赤と青の花びらが舞い散り、嵐となって一斉にザングースに襲い掛かった。
「うがあ!…い…息があ…うぐっ!」
花びらに口や鼻を塞がれ、ザングースが悶絶する。
「……ま…ま、参ったぁ!降参、降参でござるう~!」
ザングースは顔を真っ赤にして転げ回り、地面をタップした。

「や…やったああ…ひ…ひああ…?」
目でも回したのか、ロゼリアもその場にばったり倒れた。


「やれやれ…。」
「ぷぷっ、進化してもスボミーはスボミーね。」
「まぬけ~!」
「が、がんびゃったのに。ひ、ひろいれす~~。」
「だが良くやった。」
俺はスボミー…いや、ロゼリアにそう言葉を掛ける。
さて、敗者にも声を掛けに行くとしよう。
「どうだ?我が手下の力は?」
ザングースは口を開く。
「見事、噂通りの実力…。拙者の負けだ…。約束どおりピカチュウ殿を主君と認め従うでござる。」
「そうか。」


ザングースは降参し、ピカチュウの手下となった。
その時、ピカチュウはある事に気が付いた。
「あれ?そーいえば、ミミロルはチャーレムとの戦いでミミロップになったし、ムウマージはレジロックとの戦いでムウマージになって、スボミーはこの戦いで進化したし・・・。」
「(ザングースを除いて)進化してないのは俺だけ?」
俺は思った。このままだと手下共がまた進化したりして、俺の力を超えて反逆したりするかもしれない・・・。
手下共はどうする?殺すならいまか?


なんてな。
くだらない妄想が頭をよぎる。
俺には電気玉がある。いくら手下が進化しようと引けなど取らない。

「なにやってんのよ~?」
「早く行きましょうよ~!」
「どうしたの~。」
それにこいつらが裏切るわけが無い。

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