第3章 - 4

しかしマニューラといいニューラというのは皆こんな奴ばかりなのだろうか?
「{やな感じよね~。}」
「何か言ったかしら、おチビなお嬢ちゃん?」
「ムッ!何でもないわよ!」
「暴れるなっつーの!」
「キャハハ!おチビっての気にしてるわけ?」
「お前等、うるさい。静かにしていろ。」
「あら、ごめんなさいね。」

「{所でさあ…。あんたあのネズミが倒れてる時ずっと付きっきりだったけどもしかして…}」
「そ、そんなことないわよっ!」
「だから暴れるなっつーの!」
「{まだ何も言ってないんだけどなあ…。}」
「だからうるさい!」
「鼓膜破れる!ギャハッ!」
「ご、ごめんピカチュウ…。」


しばらく進むと…
「ん~、ありゃ何だっつーの?」「あれはチャーレムね。」「何してんだ?ギャハハハハ!」
吹雪でよく見えないが、50m程前方にチャーレムというポケモンがいるらしい。
「どうすんだっつーの?」「避ける?」「へーんな奴だぜ?ギャハハ!」
「いや、このまま進め。」
ついでだ、奴にもいつもの話をしてみることにしよう。
何が起こるかわからない。念のため俺達はニューラの背から降りた。


ニューラの背から降り、近づいていく。
チャーレムは目を閉じ、瞑想をしていた。
「おぬしは何だ?」
こちらに気付いた。
「俺はピカチュウ。少し俺の話を聞け。」
「断る。修業で忙しい。」
…ここまで突っぱねられたのは初めてかもしれない。
「そんな事言わずにピカチュウさんの話を…。」
「しつこい。」
「あ~!もう力付くで話を聞かせてやるっつーの!」「やっちまえ!ギャハハハハッ!」「ちょ、あんた達!」
ニューラの二匹が苛立ち、飛び掛かる!
「…ふん。」

だが、あっという間に蹴散らされる。
「つ、強いっつー…のー…」「ギャピ~…」「バカ!あたし達が格闘技が使える奴に弱いっての忘れたわけ!?」
やれやれ…。
「去れ。」
「も~う!なんなのよお!少しくらい話を聞いてもいいじゃない!」
「…小娘、おぬし体術の心得があるな。」
「だから何?」
「ふん…だがそのような小さな体では無意味。」
「ムッ!あったまきた!ピカチュウ!こいつ、私にやらせて!」
「…好きにしろ。」
「ありがとっ!私の力、見せてあげるっ!」
「ふん。」


ミミロルが珍しく熱くなっている。
さっきからチビだの小さいだの言われたのが余程、頭にきているようだ。
「いっくわよ~!」
「…。」
ガシっとチャーレムに頭を押さえられ、ミミロルは前に進めない。
「このこのこのこの!」
「……・。」
チャーレムは呆れた顔をしている。ため息の後、ピンッとミミロルにデコピンをした。
「い、痛~い!」
「時間の無駄だな。」
チャーレムはミミロルに背を向ける。
「隙ありぃっ!」
ミミロルはチャーレムに飛び蹴りをしかけるっ!…が
ペシッとチャーレムに蹴り落とされる。
「きゃんっ!」
「無駄だ。」
「駄目です~!ミミロルさんの手足じゃ攻撃が届きません!」
「…。」
「…あんた、ちっとは応援してやりなさいよ。」
「帝王というものは手下をうるさく応援などしない。静かに見守るだけだ。」
「あんた、にぶすぎるわっ!いいから応援してやりなさい!それが一番あの子の力になるのよ!」
…何なんだ?
「わかったわかったしかたない…。頑張るがいいミミロル。頼りにしているぞ。」
「ピ、ピカチュウ…!よ~し!私、頑張っちゃうもんね!…あれ?何、この光…?」
ミミロルの体が光に包まれる!
あれは…進化の光だ!


テロレレッ テッテッテッテッテッテー テッテッテッテッテッテー
おめでとう! ミミロルは ミミロップに しんかした!
チャンチャンチャーン! チャチャチャチャチャラーン!

ミミロルが進化した。
もっとニドランのようにゴツく強そうになるのかと思ったが、あのような人間に近い姿になるとは。期待はずれである。
「わ、私どうなっちゃったの?」
「なんと。」
「ミミロルさん、進化したんですね~!」
「すごいすご~い!」
「体の底から力がわいてくるっ!負ける気がしない!」
ミミロル…いや、元ミミロルがもう一度飛び蹴りをしかける!
「ちぃっ!」
チャーレムが先程のように蹴り落とそうとするが、
「クスクス!あんた、短足ね~。」
元ミミロルの方が足が長い!チャーレムに蹴りが直撃する!
「かはっ、く…そ…。」
元ミミロルの勝ちだ。


「やりましたねっ!」
「かんぜんしょうり~!」
元ミミロル…ミミロップというらしい、が駆け寄ってくる。
「よくやった。」
それだけ言うと俺はミミロップに背を向け、チャーレムのもとにいこうとするが…
「うん、えへへ…。」
ミミロップに後ろから抱き抱えられてしまった。
「何をするっ!離せ!」
もがくが体格が違いすぎて逃れられない。
「折角勝ったんだから、そのくらいのご褒美あげても、いいんじゃないかしら?」
なぜこんなのが褒美になるのだ。わけがわからない。
「ええい、しかたがない。ミミロップ、このままチャーレムの所に運べ。」
「うんっ!」
ぬいぐるみのように後ろからぶらんと抱えられながらチャーレムの所に運ばれる。情けない光景である。
「おい、起きろ。」
そのままの態勢でチャーレムに声をかける。威厳もなにもない。


「さあ!大人しくピカチュウの話を聞きなさい!」
ミミロップは俺を抱えたまま、倒れているチャーレムの腹を足で踏んだ。
やり過ぎだお前…
「うげっ!しょ…承知………あ、もっと…」
しかし、チャーレムはどこか嬉しそうである。なぜだ?

それはさておき、俺は野望(ry

「…成る程。方法は違えど、己への探究という意味では同じだ。力を貸そう」
「そうか」
「瞑想中、ユクシーの思考を捉えた。誰かを待っているようだ。それがお前達か」
「多分な」
「ならば、一緒に来るがいい」
ここから先は、チャーレムに案内してもらうとしよう。

「じゃあ、あたし達はお役ご免よね?」
「ああ、ご苦労だった。くれぐれもユキカブリ達と喧嘩などするな」
「はーい。さ、あんた達、とっとと帰るわよ!」「もう疲れたっつーの…」「ボロボロでいいとこなし…ギャハ…!」
オスのニューラ2匹は、メスのニューラに引き摺られて帰っていった。

結論:女は強い。


「ここがエイチ湖だ。」
チャーレムに案内されエイチ湖にたどり着く。
「シンジ湖と同じで、綺麗な湖ね~。」
「それはいいがお前、いつまで俺を抱えているつもりだ?いいかげん離せ!」
「進化したせいでコートが着られなくなっちゃって寒いのよ。もうちょっとこのままでいさせて。」
「俺はお前のカイロでは無い!離せ!」
「まあまあ、いいじゃない。(幸せ…。)」
「この中で抱えてあったかいのはピカチュウさんだけですしね~。」
「ムウマはひんやり~。」
暑苦しい。早く離してほしい。
だが、下手に風邪などひかれて戦力が減ったら面倒だ。もう少しこの無礼を許してやるか…。

「後は自分の力でユクシーを探せ。我はおぬしが話していたハクタイの館に向かうとしよう。」
チャーレムは森の洋館に向かった!


エイチ湖のほとりは広い。ここは手分けして探すとしよう。
「分かれてユクシーを探す。というわけで離せ。」
「は~い…。(ちぇっ)」
ミミロップは自分の耳で体を包む。
「 ! 何だお前!そんなことができるんじゃないか!」
「え?(やば。)い、今、できることに気付いたのよ!」
本当か…?
「時間になったらまたここに集まれ。では行け!」
「は~い。」「わかりました。」「わかった~。」


エイチ湖のほとりを数十分程、歩く。
すると突然目の前にエムリットに似た黄色いポケモンが現れる。
「…あなたがエムリットが言っていたピカチュウですね。」
どうやらこいつがユクシーらしい。
…やはり俺の所に来るか。俺は本当に伝説ポケモンを呼び寄せる体質なのかもしれない。ふざけた話だが。

「ああ、そうだ。」
「何やら面白い話を聞かせてくれるとエムリットから聞きました。ぜひわたくしにも話を聞かせてもらえませんか?」
「いいだろう。」
ピカチュウは野望を…

「なる程、確かに面白いお話です。」
「そうか。」
「ですがエムリットと同じく、直接協力することはできません。わたくしにも役目があります。」
「そうか…。」
「そのかわりこの辺りのポケモン達に同じ話をしてあげましょう。それとアグノムにも貴方達の事を伝えておきます。」
「助かる。アグノムとやらはどこにいる?」
「リッシ湖と呼ばれる湖です。」
「わかった。」
ピカチュウは去っていった。

「…神の傀儡ですか…。かわいそうに…。」


ちょうど集合時間だ。
俺は急いで集合場所へ戻る。
すでに手下は全員揃い俺を待っていた。
「遅かったわね。」「みんな揃ってますよ。」「ユクシーみつかんなかった~。」
「ユクシーに会ってきた。」
「そうですか!それで…?」
「協力はしてくれないようだ。そのかわりこの辺のポケモン達に話を付けてくれるそうだ。それとアグノムの居場所を聞いた。リッシ湖と言う湖にいるらしい。わかるか?」
「え~と、ここから南東ですね。一度ハクタイの森に戻りますか?」
「そうだな。また旅の準備をしなおそう。では…」
頬袋から風船を取り出す。
「あっ、駄目ですよ~!前と違ってミミロルさんがミミロップさんに…。」

あ。

「しかたない…歩いて戻るとしよう。」

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