第3章 - 2

ズバットに案内され無事に出口までたどり着くことができた。
「じゃあ、ちゃんと案内したっキィ。」
「うむ、ごくろう。」
「ばいば~い!」
ズバットは森の洋館に向かった!
「夜、雪道を歩くのは危険です。とりあえずここで夜を明かしませんか?」
「そうだな、そうしよう。」
「当番を決めて交代で寝ましょう。寝てる間に襲われたら大変ですから。」

………
「よく寝た~!」
「おはようございます。」
「あれ~?ピカチュウめのしたがまっくろだよ~?」
「うるさい、ほっとけ…。」
手下共のいびきがうるさくて全然眠れなかった。結局、俺が一晩中番をしていた。
ここが216番道路…。雪など生まれてはじめて見た。
「綺麗だけど…さ・む・いぃ~!」
「ええ…。」
「ぶるぶる~…。」
「つべこべ言わず歩け。」
言われた通り寒く厳しい道のりだ…。


ふう~…マントのおかげかほとんど寒くないが、寝れなかったせいで疲れがとれていない。
「大丈夫?はい、これオレンの実!元気が出るわよ。」
「…いらん。いいから俺に構わず歩け。」
「そう…。」
少し言いすぎたか?まあ、気にすることもないだろう。

しばらく歩いているとでっぷりとした雪男のようなポケモン達が現れ、ぞろぞろ近づいてくる。
「何だ何だ!?」
「こんな所に俺達みたいな氷ポケモン以外が来るなんて珍しいんだな~!だな~!」
囲まれてジロジロ見られるのはあまり気分のいいもんじゃない。


ジロジロ見回されながら言葉を放つ。
「何だお前らは?」
「オラ達はユキカブリ~!ブリ~!」
「何よぉ!ジロジロ見ないでよ!」
「だって珍しいんだもん、な~?な~?」
ジロジロ見られてどうも話しにくいが俺は口を開く。
「わかったから、お前ら俺の話を聞け。」
一斉に注目が集まりジロジロ見つめられる。やりにくい…。
ピカチュウは野望を…


「ふ~ん…面白そうだなぁ。だなぁ。オラ達、協力してやってもいいど。いいど。そのかわり…」
「何だ。」
「ユキノオー様の頼みごとを聞いてやってほしいんだな。だな。」
「頼みごと?」
「詳しくは実際に会って聞いてやってほしいんだな。だな。」
「…いいだろう。」
ユキカブリ達に案内され、ユキノオーと呼ばれるポケモンのもとにたどり着く。
「おお!客人。こんな寒い所へ、よくいらっしゃった。」
「ユキカブリ達に話は聞いた。頼みごと、とは何だ?」
「何と!あなた達が頼みごとを聞いてくださるというのか!」
「ああ。さっさと話せ。」

ユキノオーの話によると最近ニューラというポケモン達がマニューラをリーダーに徒党を組み、悪さをしているという。
それを平和的に説得…できれば一番いいが、無理そうだったら力付くにでも…という話だ。
どうせ後者になることだろう。戦いの準備をし出発することにする。


とんだ寄り道になった。
まあ、ユキカブリ達とうまく行けばついでにニューラ達も手下にできるかもしれない。
やはり俺はついている。怖いくらいに。何か別の者の力を…何か強大な者…
湖で会ったエムリットなんかより、ずっとずっと強大な宇宙でさえ創造できそうな神か何かの影を感じるような…。
ふん、まさかな。くだらん想像をしてしまった。
マニューラ達は217番道路にいるらしい。先を急ぐとしよう。

「また戦いかあ~…。」
「まだそうなるとは決まっていませんよ。」
「どーせいつもどおりのようになるとおもうよ~。」
「気を引き締めろ。今頃、ニューラ達にも俺達の存在がバレているだろう。いつ襲ってくるかわからんぞ。」
「りょーかい。」


「ここが217番道路だな。」
ユキノオーによるとこの辺にニューラ達の寝ぐらがあるはずだが…?

あれはニューラだ…。こちらには気付いていない。
「やっちゃう?」
「いや、まだ“平和的”な解決がダメとは決まったわけじゃない。後をつけてあのニューラに家まで招待してもらうとしよう。」


ニューラは道路を外れ、森の木々が生い茂った所まで入っていく。あの奥か?
気配を殺しながら一定の距離を取り、後をつけていく。
するとニューラが突然歩みを止めた!
「バッカでー!気付いてるっつーの!」
ザザザ、と1…2…前の奴と合わせて3体のニューラに取り囲まれる。木々の影に隠れていたようだ。
「とっくに俺達に話は伝わってるつーの!」「残念だったわねえ!」「ギャハハハハ!」
ふう、やはり平和的な解決など無理な話か。俺は頬に電気をためる。
「コソコソしねーでついて来いっつーの!」「マニューラがあんたらに話があるって。」「ギャハ!」
へ…?
「さっさとしろっつーの!」「ノロノロしてると置いてくわよ。」「ギャハハ!」
…罠としか思えないが。


「ヒソヒソ(絶対罠ですよ~!)」
「(だがこのままじゃ手がかりが何も無いだろう。)」
「(いつもみたいにさっさと倒しちゃって聞き出そうよ。)」
「(…奴らは3匹、こちらの方が数は勝ってるがムウマとスボミーはあいつらと相性が悪い。それにあいつらは雪に馴れている。地形も不利だ。)」
「(このままついていったらもっとふりになるんじゃない?)」
「(その時はその時。何とかするしかないだろう。)」
「(メチャクチャです~…。)」

「だ・か・ら、さっさとしろっつーの!」「もういいわ、置いてきましょ。」「ギャハハハ!」
「すまんな、今行く。」

ニューラ達についていくことにした。


「ここがアジトだっつーの!」「あんたらがトロいから遅くなったじゃないのさ。」「のろまなネズミちゃん、ギャハハ!」
ニューラ達に案内され、それらしい洞窟の前にたどり着く。
「中でマニューラが待ってるっつーの!」「到着が遅くてマニューラきっとイライラしてるわね。」「怒られるー!ギャハハハ!」
ニューラ達に連れられアジトの奥まで入っていく。奥は真っ暗だが…。

「連れてきたっつーの!」「マニューラ、例の奴ら連れてきたわ。」「4名様ごあんなーい、ギャハハハ!」
数えきれないほどの暗やみに光る目…すべてニューラ達だ。これ程の数に袋叩きにされたら、一溜まりも無い。やはり罠か?
「おっせーぞてめーら!さて、お待ちかねの客人が来たんだ、ライトアーップ!」
明るくなった。
こんな所に電気なんて通っていないだろうにどういう仕組みなのだろう。
天井を見上げるとあれは確かレアコイルとかいうポケモンが吊されて光を放っている。なる程。
このアジトの奥は広く、螺旋階段のようにになっていてその場所にニューラがずらりと並んでいる。
階段の所々に穴が開いているが、おそらくあの奥をニューラ達は寝ぐらにしているのだろう。
マニューラはこの部屋の中央で氷でできた玉座のような椅子に座っていた。

「てめーがドンカラスが言っていたネズミだな。」


「ヒャハハ、驚いてんな?ドンカラスとはちょっとした知り合いでなあ。てめーらの話は聞いたぜえ!
だがよお、オレぁドンカラスがてめーのよーな弱っちそうな奴に負けたなんて信じらんねえ。くだらねえ冗談としか思えねえんだよ。
どー見てもてめーはただのかわいいネズミちゃんだしな!ヒャハハハハ!」
「「「「「ギャハハハハ!」」」」」
ニューラ達が一斉に笑う。
「それでオレぁ、てめーの力を試そうと思ってここにわざわざ呼んだわけだ!てめーが俺に勝てたなら、ドンカラスの嘘みてーな話を信じて協力してやろう!」
「いいだろう、やってやる。」
「じゃー行くぜえ!野郎共、ショータイムだ!ネズミちゃんがボロボロになってぶっ殺される様子をおとなしく見てなあ!ヒャハハハハ!」
「「「「「イヤッホーーーッ!!」」」」」

マニューラが氷の玉座から降りると玉座は砕けて溶けた。来るっ!

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