第2章 - 3

「あっ、ボス!お帰りなせえ!」「お帰りなせえ!」
森へ下りると、洋館の前でドンカラスとヤミカラス達が出迎えた。
「おう、案配はどうだ」
「へえ。今、ボスの友達とかいうペンギンが連れてきやすんで」

「仲間だポチャ~!」
遅れて来たポッチャマの後ろからは、何やらピンクのイモ虫と、色の違うサナギが2つ…
「…こいつらだけか?」
「へ、へえ…こんな早いお帰りとは思わなかったもんで…」
「…まあいい。引続き頼んだぞ」
「へえ!」
本当に任せていいんだろうか?

取り敢えず、ヤミカラスにイシツブテとビッパの様子も見に行かせる。
報告によれば、イシツブテは知り合いのコウモリと岩のカタマリに話を付けたらしい。
なかなか順調に進んでいる。

「連れてきたお」
やがて、ビッパが赤い虫と青い猫を連れて到着した。
「こいつはコロボーシだお」
「何ができるんだ?」
「♪♪♪♪♪~」
「歌が上手いお」

…本当に大丈夫なんだろうか…

しかし、青い猫の方は使えそうだ。
やたらとこちらを威嚇してくるのが気になるが…


「これからエイチ湖へ向かう。寒く厳しい道のりを歩くことになるだろうから準備をしたい。」
「へへっ、そういうことならお任せを。おい、アレを持って来い!」
ドンカラスは羽をパチンと鳴らす。
「へい、これをどうぞ。」
ピカチュウは雷の刺繍の入ったマントを手渡される。
「これは…?」
「ボス専用のマントでさあ。メリープの綿毛、アリアドスの糸、その他もろもろを混ぜて縫った特注品です。余程気合いの入ったガブリアスにでも引っ掛かれないかぎり、破れませんぜ。それに耐熱、耐寒性もばつぐんでさあ!」
「それはすごいな。」
「それとピカチュウ族に力を与える電気玉の成分も縫いこんでありやす。これさえつければボスは無敵ですぜ!」
「ほう。」
「それと皆さんの分の防寒着もよういしてありやす。ミミロルの姐さんにはコートを。スボミーさんには人間達のビニールハウスの原理を応用したカプセルを。ムウマさんにはローブですぜ!」
「これだけの物をどうやって用意した?」
ドンカラスは頭をポリポリ掻きながら答える。
「部下にちょっと頭のキレるやつがいるんでさあ。マントは元々あっし用に作らせていたんですが、急遽作り直させまして…。」
「それはすまなかったな。」
「いやあ、ボスのためなら火のなか水のなか…まあまあとにかくそのマント、付けてみてくださいよ!」


バサッ
「うむ、悪くない。」
「お似合いですぜ。」

「ねえねえ、ピカチュウ。このコート似合う?」
「何だかこの中、落ち着きますねー。」
「ぼわ~ん…。」

「それとこのヤチェの実を…氷から身を守ってくれる、不思議な実ですぜ。」
「ああ。」
「あとこれとそれとあれも…」
「もういい!持ち切れんだろう。」
「あっしはボス達が心配で心配で…。」
「わかったわかった。」
これ以上、荷物を増やされてはたまらない。
さっさと出発しよう。
目指せエイチ湖!

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