第21章 - 2

小ネタ・ザングースの修行の旅

~テンガン山~

侍、ザングース。
彼は昔、主君であるピカチュウと共にシンオウを旅していた。
今は己の力を磨くため、山にこもって修行している。
今日も厳しい修行が終わったようだ。
「つかれたでござる………」
「そう?僕は段々慣れてきたポチャ」
この変な語尾の奴はエンペルト、一緒に修行をしている仲間である。
二人とも特にピカチュウから指示を受けていないので、強敵が来た時のために腕を磨いているという訳だ。
「段々自分に力がついて来たのが分かるポチャ。見よ!新技高速移動!」
エンペルトは今日覚えたらしい技を自慢げにザングースに見せた。
「すごいでござるな………」
適当な相槌を打つザングース。彼は考え事をしていた。
「(段々ここの修行も飽きてきたでござる………。いつも同じメニュー、同じ敵………)」
メニューを考えてくれたチャーレムが不満なのではなかった。炎のパンチや、雷パンチなどいろいろ教えてもらった。
だから、修行で鍛えた自分の実力を、どこかで試してみたいと思うのは当然のことであった。
「(旅に………出たいでござる………)」
「無視するなんてヒドいポチャ………」
「ん?ああ、すまなかった」
頭を下げるザングース。
「僕はもう洋館に帰るポチャ。ザングースはどうするポチャ?」
「拙者はもう少し汗を流していくでござるよ………」
「分かった。バイバイ~」
エンペルトは洞窟から出て行った。
ザングースは追加メニューを始めるために立ち上がった。次の瞬間、ザングースは驚いて尻餅をついてしまった。


「な、何者だ!」
洞窟の池から星の形をした物体が姿を現した。
こんな奴シンオウには居ないはずだが………
「あ、驚かせてすみません。ザングースさん」
見知らぬ青い星に名前を呼ばれて、ザングースはさらに驚いた。
「何故、拙者の名前を知っているでござるか?」
「友人のジバコイルから聞いたんですよ。シンオウ一の侍がここにいるって」
何ヶ月か前に手合わせしたあのジバコイルの友達。そいつが、いきなり自分の前に現れた。
訳が分からなかった。
「お主は何の用があって、拙者に会いに来た?それと、名を名乗れ」
青い星は表情一つ変えず(顔があるかも疑わしいが)答えた。
「私はカントーに住んでいるスターミーです。ザングースさん、カントーに来てください。お願いします」
「なぬっ!?」

続くと思う


エンペルトは、暖かいコーヒーを持ってドンの居る部屋へ向かった。
部屋からは、ビッパとドンの喧嘩が聞こえる。
「まあまあ、マターリ行こうお。」
ビッパがドンを宥める。
「うるさい!お前みたいな、役立たずはここからでてけ!」
「ひどいお!」
「コーヒー持ってきたポ…コホン。」
「ボクだって、………仲間集めしているお!」
「だいたい、お前の連れてくるポケモンに碌な奴はいない。」
「一、二匹はまともなのつれてきてるお!」
「一匹もまともな奴などいなかったじゃねーですかい」
どうやら、完璧に無視されているようだ。エンペルトはクルリと向きを変え、部屋から出ようとした。
「ひどいお!」

”ズドーーーーーーン”

イテテテテテ、ビッパの体に当たりエンペルトは廊下へ投げ出された。
「ドンなんか消えちまえーーー」
捨て台詞を残しビッパは自室へと去っていった。
エンペルドは粉々になったコーヒーカップの破片を集めながら、ドンに聞いた。
「喧嘩の原因はなんだポ?(しまった、また語尾にポを付けてしまった。)」
「聞いてくだせぇ………、あいつ…あいつが何とかかんとかメダグロスのビデオを見るとか言って、実はあっしが見ようと思っていたテレビ板極道の♀達が、見れなくなったんでぇ……。」
用はチャンネル争いという訳。
下らないので、エンペルトは破片を持って部屋を出て行った。


数日後………
「ドンー、仲間を連れてきたお。」
この声がだれかは説明する必要が無いだろう。
(また、ビッパですかい……出て行ったんじゃなかったのか)
「その仲間とは、ボクだお!なんとボクは上がった能力の影響を受けやすいんだお」
「というと………?」
ドンの眼つきが呆れから期待に変わったのを確認するとビッパは続けた。
「たとえば、ボクと同じ防御力の奴がいたとするお。そいつとボクが同時に丸くなった場合、ボクのほうが防御力が高くなるんだお」
「おおっ、それはさいよ………じゃなくて戻ってきなせぇ。」
「でも、下がった能力の影響も受けちゃうお。」
「出てけ!」
ドンは、冗談で言っているようではない。
「ひどいお、それにドンだって勝手に仲間を除外しちゃボスに怒られるお。」
「お前が独り居なくなろうとボスは気づかないだろうよ。」
「第一、まだミミロルたんのオッパイうpして貰ってないお!」
”ばさっ”
ドンはビッパを掴むと窓から放り投げた。
外は雨が降っている。ドンは素早く窓を閉めた。


ドンは静まり返った部屋の中で一人考えていた。
(少し、言い過ぎたか。もともとあいつが見ていたものだし―――許してやるか―――)
雨がしとしと降る。

一方、ビッパ。
「ひどいお、ひどいお………」
森は孤独に満ちた雰囲気だ………
(ビデオはいつでも見れるものだお、それなのにボクはドンの見たかった番組を見れなくしてまでビデオを見た。)
罪の意識がビッパを責める。
(ん?顔が濡れてるお。これは雨じゃないようだお………)
(そういえば、どっかのお偉いさんが思いやりは大切だっていってたお。)
(謝りに言ったら、ドンは許してくれるかな?)
(でもこんな所で暮らすのなんか嫌だお、皆と暮らしたいお)
ドン達との思い出が頭の中を流れていく。
「よし、ドンに謝りに行くお!」


「ドンー、ビッパが来たポ………コホン」
ドンは少しホッとした。
「ドン、あの時はゴメンお………………」
「許してやるよビッパ。」
「ホント?」
「ああ。」
「ところで、それは何だ?」
ドンはビッパが引っ張ってきた物を見ながら言う。
「これは、テレビだお。これがあればチャンネル争いが起きないお。」
「それはさいよ………。」
「でも、2chしか映らないお。」
「捨てて来い!」

小ネタ END


無事にロケット団を撃退した俺たちは、未だに内部を探索していた。
「はぁ……、何かあるかと思って一番上まで来ましたが、何にもありませんね……」
ロゼリアが呟く。
「ああ、ここにいてもしょうがない。一旦、下の階に戻るぞ」
全員がとぼとぼと階段を降りていく。俺も下に向かった。その時……
「!?」
「ピカチュウ、どうしたの?」
振り返ったミミロップが話しかけてくる。
「いや、何でもない。急ぐぞ」
そう言って歩き出した。ミミロップも後を付いてくる。
(だが、あの気配、どこかで……)

その頃レッドは、襲いかかってくる団員達を退けて、カードキーを入手していた。
(あの団員達、眼が普通じゃなかった……。何かに操られているのか? しかし、一体誰に……)
いろいろな疑問を抱えつつも、カードキーを使い、先に進む。
「何!?」
そしてその先には、先程のロケット団員達と同じ眼をしたツンツン頭のライバル、グリーンがいた。


暫くの間、睨み合いが続く。
最初に沈黙を破ったのは、レッドだった。
「グリーン、君は一体どうしたんだ?」
しかし、グリーンは答えない。
(やっぱり、さっきの団員達みたいに操られている!)
レッドはそう確信する。
ならば、バトルで眼を覚まさせるしかない。
そう思い、腰のモンスターボールに手をかけた瞬間……
グリーンが邪悪な眼でレッドを見つめて、……笑った。
「一体、何がおかし……ぐっ!」
レッドの声は途中で途切れた。
どこからか、何かが飛んできた!
レッドは間一髪で避けて、ボールからカビゴンを出す。
「(もう一度来る!)カビゴン、守れ!」
指示を受けたカビゴンが、防壁を作り出して襲撃者を受け止める。
「ピジョット……、いつの間に……」
そして、目の前にはボールを持ってニヤニヤしているグリーンの姿があった。
(既に戦いは始まっているという事か……)


そして一方、ピカチュウ一行は、現在3階に居た。
(おかしい……)
ピカチュウは目の前の光景に違和感を感じていた。
先程来たときは誰も居なかったが、今は大量の団員達が倒れている。
そして、前開いていなかった扉が開いている。
(誰かが来たという事か……。しかし、誰が?あの赤帽子か?それとも、ツンツン頭?)
ピカチュウに他に思い当たる人物は居ない。
「ピカチュウ、行ってみない?」
ミミロップが言う。
……そうだな。ここで悩んでも仕方ない。
「よし、行くぞ!」

そして、場面はレッドとグリーンの戦闘に戻る。
「ハァ……、ハァ……、いつもとは比べ物にならない…」
相手の場には、未だに無傷のフーディンが居る。
先程のピジョットは交代したピカチュウで倒したものの、このフーディンにやられ、次に出たイーブイも倒されていた。
おまけに、中途半端なダメージだとじこさいせいまで使ってくる。
「(でも、所詮はエスパー、こいつで倒す!)カビゴン、行け!」
先程も登場したカビゴンがやる気満々で出てくる。
「ふん、その程度か……」
グリーンが呟く。
(フーディンではカビゴンは倒せない筈…。何だ?この自信は……)
レッドは少し恐怖を感じていた


「そろそろ終わらせるか……。フーディン、気合球だ」
グリーンが笑いながらフーディンに指示を出す。
「何!?」
レッドは困惑する。
なにしろ、グリーンが自分の知らない技を指示したのだから。
「(どんな技か知らないが、ここは……)守れ!カビゴン!」
とっさにカビゴンに指示を出す。
しかし、遅かった。
フーディンの放った球は、物凄いスピードでカビゴンに直撃した。
カビゴンは反動で吹っ飛ばされ、壁に激突する。
そして、そのまま動かなくなった。
「カビゴン!!」
レッドは急いでボールにカビゴンを戻す。
「ははははは!いい気味だ!」
グリーンが皮肉った。
レッドは焦っている……
先程の予想外の技で、レッドはカビゴンを失ってしまった。
今の所、出せるのはアイツしか居ない。
しかし、ここで出してしまったら……
その瞬間、後ろのワープパネルが作動した。

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