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第17章

ミロカロスと別れた後、ミミロップ達にタマムシシティについて話した。

「ロケット団!?」
「イワヤマトンネルの近くに居たのはやっぱり…。」
「ムウマージ、ロケットだんゆるさない~。」
「当然、奴らの悪事は阻止しなければいけないが、人間が多く居る町で騒ぐわけにはいかない。
これからは慎重に行動するぞ。」
ここで喋っていても始まらないので、一刻も早くタマムシシティに行かなければ。
それにアルセウスの事も気になる…。
ミロカロスのあの言葉の意味は一体?
「ちょっと、ピカチュウどうしたの?」
「大丈夫だ。気にするな。」
「顔が真っ青ですよ?」
「……早く行くぞ。」
そう言って歩き始める。

暫く歩いていると、急にボールがミミロップに向かって飛んできた。
「え!?きゃあああっ!」
「ミミロップ!」
飛んできた方向を見ると、黒ずくめの男――ロケット団が居た。
「おっしゃあ! 珍しいポケモン捕まえたぜ!これで幹部昇進間違いなし!」
我慢できなくなり、俺は草むらから飛び出した。
「ん?ケッ、ピカチュウかよ。コイツはお前の仲間なのか?」
返事はせずにボルテッカーを喰らわせる。
「ンギャアアアアアッ!」
やりすぎてしまったようだ。倒れて動かなくなった。
俺はすかさずボールを取り、小さなボタンを押した。
「ピカチュウ!」
「ミミロップ、大丈夫か?」
「うん、平気。」
「ますます状況は悪化している。急ぐぞ!」


俺達はそこら辺に飛んでいたポッポにタマムシへの行き方を聞いた。
シオンの西の道路の先に地下通路の入り口があるらしい。
また、ヤマブキシティを通って行く方法もあるらしいが町を歩くよりは地下通路の方が危険が少ないと思い、前者の方を選んだ。

「ここらもトレーナーが多いな…気をつけて進もう。」
俺達は常に四方に気をはらいながら進み、地下通路の入り口に到着した。

「地下通路って暗そうね……何か怖いなあ。」
ミミロップはそうつぶやきながら俺を持ち上げる。
「人間には気をつけよう………ってふざけてる場合か!さっさと降ろせ。」
「えへへ、チャンスかな~と思って。」
ミミロップは俺を降ろした。まったく、緊張感のないヤツだ。
「ところで、地下通路でトレーナーに会ったらどうします?逃げ場がなさそうですが……。」
ロゼリアが痛いところをつく。
「ん~、先を急ぎたいから、うまく足止めして避けるか……お前の粉攻撃とムウマージのあやしいひかりが頼りだ。頼むぞ。」
「まかせて~。」


無事地下通路を抜け、7番道路に辿り着く。
タマムシはもうすぐだ。

「ハァッ、ハァッ、ハァッ…」
タマムシの方からガラガラが子どもであろうカラカラを抱え、必死に何かから逃げるように走っているのが見える。
「待ちなさ~い!行けッアーボック!あのガラガラに毒針よ!」
「シャー!」
! どうやら女のロケット団員に追われているようだ!
「助ける!?」
「ああ!」
だが遠い…!俺達は必死に走るが…間に合うか!?
「ぎゃうっ!」
アーボックの毒針がガラガラに突き刺さる!
ガラガラは子供をかばうように倒れこんだ。

「よくやったわ、アーボック!お~ほっほっ!逃げようったって無駄なのよ!」
ロケット団員はガラガラの体を踏み躙る。
「もう、こいつはダメねえ~。このガキだけでも連れてきましょ。」

…許さん!


俺はあのロケット団員に有りったけの電気を浴びせようと電気をためる…だが
「そこの黒服、待ちなっ!」
ツンツン頭の人間が現れ、ロケット団員を制止する。
「あん?何よ、あんた?」
…少し様子を見るか。

「お前らやりすぎだ!さすがの俺でも許せねーぜ!」
「ガキんちょが大人の世界に首突っ込むんじゃないの!しっしっ。」
カラカラを助けるつもりか…?

「へんっ、なめんじゃねーぜ!いけっ、ラッタ!」
「はあ~ぁ、聞き分けの無いガキね。アーボック!相手してやりな!」


「ラッタ!電光石火だ!」
「キィッ!」
ツンツン頭のラッタの先制攻撃が決まる。
「そこからさらに必殺前歯だ!」
「なかなかやるよーね!だけどまだまだ…アーボックっ巻き付く!」
アーボックはするりと体勢を直してラッタに巻き付き、きつく絞めあげる。
「詰めが甘いわ。」

「くっ…!ラッタ、なんとか抜け出せ!」
ラッタは必死にもがくが…。
「アーボック、そのまま叩きつける!」
ラッタを尾で絞めあげたまま、アーボックはラッタを地面に叩きつける。
「ギッ!」
「止めよ!噛み付く!」
アーボックの顎がラッタの喉笛を捕らえた!
「ギィィィッ!…ギィ……。」
あのラッタ、もう助かりそうにないな…。
「ラ、ラッタッ!?」

「だぁから言ったでしょ?大人の世界に首突っ込むんじゃない、って…。」
「う…くっ、まだだ!カメール!」
…助けてやるか。
俺は飛び出す!

「ピカッ!(助太刀してやろう!)」
「な、何だよお前!?」
「ピカピィ。ピカ。(正義の味方、だ。今はな。)」


突然現れた俺の姿をみて、ロケット団の女は目の色を変えた。
「ピ、ピカチュウ!飛んで火に入る夏の虫とはこのことね!カラカラ共々ゲットしてあげるわ!」
女がそう言うと、アーボックは俺の方をにらむ。
「な…お前、逃げろ!カメール、水鉄砲だ!」
つんつん頭の指示で、カメールはアーボックに強烈な勢いで水を放った。
「シャアアア!」
アーボックは技をまともに喰らい怯んでしまう。
「ピカピカ!ピカアア!(今だ……水は電気をよく通す!10まんボルト!)」
「シャ、シャアアア………」
俺は濡れたアーボックに向かって電撃を放った。アーボックは黒コゲになり倒れた。

「ア、アーボック?く、戻るのよ!」
女はアーボックをボールに戻す。
「な、お前……今俺に協力してくれたのか…。」
つんつん頭は俺の方を見てつぶやいた。

(お前のためじゃない、ポケモンのためだ。)
俺はあえてつんつん頭の方を振り向かなかった。


「ピカチュウ、頑張って!」
ミミロップ達は草むらに隠れ、ピカチュウを応援していた。
「あのラッタ、首からすごい血が出てます…」
「かわいそう~……。」
ロゼリアとムウマージは心配そうな顔をしていた。

「この電気ネズミが…まだ終わりじゃないわ!行くのよベロリンガ!」
R団の女はベロリンガを出した。
「ピカピカチュウ。(まだやる気か……)」
俺は電気をバチバチ鳴らしベロリンガを威嚇する。その時つんつん頭の男は傷つき倒れたラッタを抱きかかえていた。
「ラッタ、ラッタ!………くそお!許さねえぞ!!」
つんつん頭はラッタをそっと置き、立ち上がった。
「野生のピカチュウ、ここは俺がやる!そいつだけは俺の手でブチ倒してやる!いくぞカメール!」
つんつん頭が俺に向かって叫ぶ。カメールが俺の前に出た。
「カメカメ、カメール(…絶対負けられない。ラッタの仇は僕がとる。)」


カメールも気合い充分な様子だった。
(あいつ…ポケモンのために怒ってるのか。こんな人間もいるんだな。)
俺はふと、倒れて動かないガラガラの方を見る。
子のカラカラが必死に呼び掛け体を揺するが、ガラガラはピクリともしない。
俺はその様子を見て悲しい気持ちになった。

「ベロリンガ!舌でなめる!」
R団の女が指示を出した。ベロリンガは長い舌をカメールに向かわせる。
「かわせカメール!」
カメールはヒラリとその舌をかわした。
「く、生意気ね!連続で舌でなめる!」
「連続でかわせ、カメール!」

ベロリンガは何度も攻撃を試みるが、カメールは難無くかわした。
「攻撃が単純すぎるぜ!水のはどう!」
つんつん頭の男は敵の動きをみきっていた様だった。カメールの技がベロリンガを直撃する。
「くぅ~調子に乗って!ベロリンガ、まきつくよ!」
「ベロロ~ン!」
ベロリンガは舌を螺旋状に動かす。


「な、動きが変わった?」
今まで敵の動きを読んでいたつんつん頭の男は、攻撃の変化に動揺した。
そしてカメールは見事に舌に巻き付かれてしまった。
「カ、カメ!」
「ホホホホ、やっぱりガキね!同じ技に二回も捕まるなんて、どっちが単純かしら?」
R団の女は皮肉混じりに言う。しかしつんつん頭の男は割と冷静だった。
「同じ技が二回も通じるなんて思ったのかあ?バカなのはてめえだ!カメール、こうそくスピン!」

カメールは甲羅の中に頭手足をしまい、舌が巻き付いたまま回転し始めた。
その勢いで舌を弾き飛ばした。
「ベロ!?」
「う、うそ!」
女とベロリンガは予想だにしない反撃に驚き、固まってしまった。
「これがラッタとガラガラの痛みだ!ロケットずつき!!」
カメールは勢いよくベロリンガに突進した。
まともに喰らったベロリンガは吹き飛び、R団の女にぶつかり、二人共気絶してしまった。


「やったぜラッタ……。」
つんつん頭の男は横たわって動かないラッタを見て、小さくガッツポーズをした。

つんつん頭はラッタとガラガラをボールにしまった。
「シオンのポケモンタワーに、墓をつくるか。お前は、確かフジ老人っていうポケモン好きなじいさんがいたから話して預かってもらおう。まだガキだし、俺んとこにいるよりはいいだろ?」
つんつん頭はカラカラの頭を撫でながら言った。
カラカラはそいつになついているようだが元気はなかった。

「じゃあな、野生のピカチュウ。お前のおかげで助かったぜ。」
つんつん頭はそう言って笑った。俺が小さくうなずくと、ヤツはカラカラを連れて去っていった。

「………いい人間だな。俺もああいうトレーナーに出会ってたら……いや、そんな事考える必要はないな。」
「ピカチュウ!」
俺が独り言を言っていると、ミミロップ達が草むらから出てきた。


「大丈夫……みたいね、良かったあ。」
三匹共草むらに隠れてたのは正解だったな。カントーで見慣れないお前達が出てきたらロケット団の標的が変わり、場が困惑しただろう。
「あのにひき…かわいそうだったね~。」
「そうですね…あの人間は良い人間だったんですか?ピカチュウさん。」
「……多分な。まあマシな方だろ。」
(俺が人間をほめるなんて……どうかしてるな。)
俺はふと、人間とカラカラが去っていった方を見た。

「………親か…。」

「え、何か言った?ピカチュウ。」
「いや、何でもない。随分時間をくってしまった。行くぞお前達、タマムシシティはすぐそこだ!」

再び俺達はタマムシへの道を進み始めた。
今回の件で分かったこと、それは、ロケット団の奴を絶対に野放しにしてはおけないということだ。



一方、森の洋館では…

「仲間を連れてきたお!」
「またそれか…」
「今度のはすごいんだお。体力もあって何されても動じないんだお。」
「それは面白そうじゃないか。呼んでみてくれ。」
「おk、ソーナンス君、出番だお!」
「自分、ソーナンスナンス。」
「……得意なことは?」
「守ることナンス。」
「帰れ。」

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