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第1章_1

俺はピカチュウ。
おかしなトレーナーに変なニックネームを付けられ、嫌になってそのトレーナーの元から逃げ出してやった。


逃げ出したはいいが、ここがどこだかわからない。
どこかの森のようだが住み慣れたトキワの森とは違うようだ。
近くを通りかかったウサギみたいな奴に聞いてみたところ、ハクタイの森とか言う所らしい。
さて、どうしたものか・・・。


この森にいるポケモンはトキワの森では見たことない奴ばかりだ。
さっきのウサギみたいな奴、うるさい黒いカラス、なんかのサナギ、幽霊みたいなの…。
あっちもどうやらこの俺を知らないらしい。
…決めた、まずはこの森にこの俺…ピカチュウの名を知らしめてやる。
そしてゆくゆくはこのシンオウとかいう場所のポケモン達を支配し、変なニックネームをつけたあのトレーナーや人間共に復讐してやるのだ。


まずは手下が必要だ。一人で森を支配するなど不可能だからな。
とりあえずさっきのウサギみたいな奴を手下にしてやろう。
ちょうど都合良くさっきのウサギが通りかかったので声をかけることにする。
「おい、貴様!俺の名前を言ってみろ!」
「あっ、さっきの黄色いネズミ…」
なっ…!こいつこの俺を黄色いネズミ呼ばわりだと!?
「俺はピカチュウだっ!それに俺はネズミじゃなくてハムスt…」
「ふ~ん、どうでもいいけど何か用?」
このウサギ…!!
「…まあ、いい。俺はだな…」
俺は自分の野望を小一時間このウサギに語った。


小一時間後…

「で、何?私に協力してほしいわけ?」
やっと理解したか…。
「そうだ。今は少しでも多くの力が必要だ。お前のような奴の力でもな。」
「失礼しちゃうな~。それにさっきから貴様、とかお前、とか言ってるけど私にはミミロルって名前があんの!」
できるだけ優しく勧誘してやったつもりだが駄目そうか…?こうなったら力付くでも…。
「でもまあいっか!この森での平凡な生活にも飽きてたし。協力してあげるよ!そのかわり…」
どんな条件を付けてくるつもりだ?珍しい木の実か?進化の石か?それとも…
「…そのかわり?」
「私、組織の四天王の一人ね!そういうのあこがれだったんだよねー。」
「…は?」
「し・て・ん・の・う!わかる?なんか偉くて強い四人組!」
そんな事かくだらない…。
「いいだろう。四天王でもなんでも好きにさせてやる。」
「やったー。じゃあ、これからよろしくね!え~と、ペカチュウ?」
「ピカチュウだ!」

こんな奴で大丈夫なんだろうか…?不安になってきた。


「・・・でさぁ~、まず何をすればいいわけ?」
「今は手下・・・仲間を増やさないとな。」
「私の時みたいに一人一人?森にはいっぱいポケモンがいるんだから、日が暮れるどころか、老ポケになっちゃうよ!」
「う・・・それもそうだな。」
意外と考えてるなコイツ・・・。
「一気に仲間を増やせればいいんだけどね~。もう手下がいる奴を倒して手下にするとか・・・。」

「それだ!今、この森を支配してる奴は誰だ?」
「ん~、みんなけっこう気ままに暮らしてるからね~。あ、そういえばたくさんのヤミカラスを従えるドンカラスって奴がいるよ!」
「じゃあ、そいつを倒しに行くぞ。」
「私達だけで?いくらあんたが電気つかえても二人だけじゃ無理だよ~。ヤミカラスは一杯いるしドンカラスも強いもん。」
「う~む・・・もう少し仲間を集めるか。」
今はこつこつ仲間を増やしていくしかないみたいだな・・・。


探してもそうそう都合良く手下になりそうな奴など見つからないか・・・。

「おうおう、てめえ!誰の許可貰ってここの養分吸ってやがんだ?」
「ここはドンカラス様の縄張りだぜ?勝手に入って来やがって、覚悟はできてんだろうな?」
「ひいぃ・・・。」
二羽のヤミカラスに変な植物ポケモンがからまれている。
「またあんなことしてる~。あいつらこの森を支配している気になって好き勝手してるのよ。あのスボミーもかわいそうに・・・。」

・・・これまた都合良く見つかった。ここで助けて借りをつくれば手下にできるかもしれない。
相手は二羽、だが俺は電気の攻撃を使える。ああいう飛んでいる輩には電気が良く効くのだ。
それにこっちも二匹だ。なんとかなるだろう。


「あいつを助けるぞ。」
「うん、かわいそうだしね。」
「そんなんじゃない。ここで恩を着せれば手下にしやすいだろう?」
「あんた、可愛い顔して悪いこと考えてんのね~。」
「可愛い顔は余計だッ!さっさと行くぞ!」

草むらから飛び出し奴らの前に出る。
「何だてめえらは!?」
「このポケモンから手をひいてもらおうか?こいつは俺の手下だからな」
「まだ予定でしょ~・・・」
「正義の味方気取りかぁ!?」
「そんなんじゃないわ。どっちかというと、その正義の味方に倒される方みたいよ。」
「何でもいいが、オレ達ヤミカラスに逆らうとは馬鹿な奴らだぜ!やっちまおうぜ兄弟!」
「おうよっ!」

・・・来るっ!


「オレ様のクチバシをうけてみろ!」
ヤミカラスが空に飛び上がる。
「あ、危なぁーいッ!上から襲ってくるよっ!」
そして鋭い嘴を向けこっちに急降下して来た!

「だが遅いっ!」
ギリギリまで引き付けてからかわし、
「なっ!俺の必殺技を避け…」
相手を掴んで直接電撃をたたき込む!
「ギャァァアアア!」
「ふん、大口叩いてた割に全然たいしたことないじゃないか。」
「う、嘘だろ?」
「あんたけっこう強いんだね…」

これでもトレーナーの元に少しの間だけだがいた身分だ。
「そこらの奴とは鍛え方が違うんだよ。」


「お、覚えてやがれ~!」
もう一羽のヤミカラスが逃げていく。ああいう奴の捨て台詞はどこも同じだな。

「た、助かりましたぁ~。ありがとうございます~!」
「では手下になってもらおうか。」
「えぇ?な、何のことですか?」
「では教えてやろう。」
俺はスボミーに野望について小一時間語った。

「そうなんですか~。なんかかっこいいですね~。わかりました、恩もありますし。そのかわり…」
「…何だ?」
「僕を組織の四天王にして下さい!なんかそういうのってかっこいいじゃないですか!」
この森にはこんな奴しかいないんだろうか…。
「わかったわかった好きにしろ…。」
「ありがとうございます!これからよろしくお願いします。えーと、ペカチュウさん?」
「ピカチュウだっ!」

この先、大丈夫なんだろうか…。

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